『きずし』を求めて・その2(完)
前回の「『きずし』を求めて・その1」は1月16日にアップしました。
http://20564487.at.webry.info/201701/article_17.html
実はこのテーマで「その5」まで入力していたのですが、「その2」をアップすることなく過ごしてしまい、ネタとしての新鮮味がなくなったように感じ、細かい経過は端折って紹介することにします。
『きずし』は一般にはシメサバを指すことが多いのですが、個人的にはサンマやアジの『きずし』も臭いがなくあっさりとしていて好きです。ただそれらを提供してくれた店はずいぶん前になくなりました。
「その1」をアップするきっかけとなった『きずし』のテレビ番組を見たあと、提供してくれそうな店を巡りましたが、常時メニューに載せているところではいずれも酢が効きすぎていて身は真っ白でした。やはりいいサバが手に入った時に、「今日のお勧め」として白板に記されている時が狙い目のようです。
昨年末で閉店した自宅から一番近い寿司屋さんの白板には今日のお勧めとしてよく『きずし』が書かれていたのを思い出しました。一人前では多すぎるので、半人前という我がままにも応えてくれ、それまであまり飲むことのなかった冷酒の味を覚えたのも今は昔です。
子どものころ、両親と梅田に出ると昔の阪急百貨店の8階の大食堂の窓際で補助椅子に座って御子様ランチを食べていました。曾根崎警察の前の交差点に鉄板が敷き詰められ、梅田の地下街の工事をしていたのを上から見た記憶があります。
小学校3~4年になると、母親と梅田に出たら東通り商店街の回転寿司に行くようになりました。模型の機関車(今でいえばプラレール)のように動く器械が気に入っていました。そこでいつも最初に注文していたのはバッテラ。自宅に出前の寿司をとるときも先ずバッテラで、おイナリさんとともに大好物でした。母親からすれば「安くつく息子」だったのでしょうね。
バッテラを含め、鱒寿司や笹鮨、柿の葉寿司などの押し寿司が好きでした。
長じて淀屋橋でサラリーマン生活を送るようになり、嵌ったのは「サンマの押し寿司」でした。まだ建て替わる前の阪急百貨店の地下は一本道を通り抜けるだけでいろいろな食材や総菜を買うことができました。そこに和歌山から出店している「サンマの押し寿司」があり、巻き寿司より一回り細いものが1300円ほどで売られていました。が、午前中に電話すると1日限定5本で、1本3000円ほどの分厚いサンマの押し寿司が予約できました。
でも阪急百貨店の改装中にご無沙汰となり、そのままサラリーマンをやめてしまい、以前は毎日の通過点だった梅田も、出かけることもなくなりました。探せば手に入るだろうけれど、両親も亡くなり一人では1/3も食べられないし、翌日になれば臭みが増して美味しくはないでしょう。私にとって、今や幻となった「サンマの押し寿司」です。
結局、美味しいサバにありついたのは、鍼の治療院の隣りのお店。白板に書かれたメニューを見ると「サバ きずし or あぶり焼き」とあり、迷わず『きずし』を注文しました。
20分後に供された『きずし』は、刺身にしてもよい脂ののった2cm近い分厚い立派なサバから作られたもので、身の表面2mmほどが酢で白くなっていました。口に含むと臭みのない脂が溶け出し、旨味が広がりました。美味しいけれど、
「これは『きずし』ではない」
私の頭の中の『きずし』は塩をして30分ほど寝かせて、1時間ほど酢でしめて、身の半分くらいが白から赤に変化していくもの。でもこの『きずし』には酢の甘みはなく、ほとんど刺身に近く、あぶり焼きにした方がもっと美味しくいただけるでしょう。そういえばメニューには「or」が入っていて、新鮮な素材を注文を受けてから調理していることが伺えます。
しかも写真を撮った筈なのに保存されていませんでした。これも連載断念の一因ですね。写真はその店でのちに食べた「あぶり焼き」です。この店の『きずし』より美味しくいただけました。
やっとのことで美味しい『きずし』にあえたのは昨日の石橋でした。普段から魚の美味しい店で、金曜日なので混んでいるだろうと外から覗いたら客は二人だけ。
ノンアルコールビールを飲むつもりでいたら、「本日のメニュー」には『きずし』。日本酒の冷酒とともに注文しました。供された『きずし』は写真の通り。分厚くて、赤と白のグラデーションが美しく、もちろん美味しくいただきました。
ということで「『きずし』を求めて」の完結。すみませんが、オチはありません。
http://20564487.at.webry.info/201701/article_17.html
実はこのテーマで「その5」まで入力していたのですが、「その2」をアップすることなく過ごしてしまい、ネタとしての新鮮味がなくなったように感じ、細かい経過は端折って紹介することにします。
『きずし』は一般にはシメサバを指すことが多いのですが、個人的にはサンマやアジの『きずし』も臭いがなくあっさりとしていて好きです。ただそれらを提供してくれた店はずいぶん前になくなりました。
「その1」をアップするきっかけとなった『きずし』のテレビ番組を見たあと、提供してくれそうな店を巡りましたが、常時メニューに載せているところではいずれも酢が効きすぎていて身は真っ白でした。やはりいいサバが手に入った時に、「今日のお勧め」として白板に記されている時が狙い目のようです。
昨年末で閉店した自宅から一番近い寿司屋さんの白板には今日のお勧めとしてよく『きずし』が書かれていたのを思い出しました。一人前では多すぎるので、半人前という我がままにも応えてくれ、それまであまり飲むことのなかった冷酒の味を覚えたのも今は昔です。
子どものころ、両親と梅田に出ると昔の阪急百貨店の8階の大食堂の窓際で補助椅子に座って御子様ランチを食べていました。曾根崎警察の前の交差点に鉄板が敷き詰められ、梅田の地下街の工事をしていたのを上から見た記憶があります。
小学校3~4年になると、母親と梅田に出たら東通り商店街の回転寿司に行くようになりました。模型の機関車(今でいえばプラレール)のように動く器械が気に入っていました。そこでいつも最初に注文していたのはバッテラ。自宅に出前の寿司をとるときも先ずバッテラで、おイナリさんとともに大好物でした。母親からすれば「安くつく息子」だったのでしょうね。
バッテラを含め、鱒寿司や笹鮨、柿の葉寿司などの押し寿司が好きでした。
長じて淀屋橋でサラリーマン生活を送るようになり、嵌ったのは「サンマの押し寿司」でした。まだ建て替わる前の阪急百貨店の地下は一本道を通り抜けるだけでいろいろな食材や総菜を買うことができました。そこに和歌山から出店している「サンマの押し寿司」があり、巻き寿司より一回り細いものが1300円ほどで売られていました。が、午前中に電話すると1日限定5本で、1本3000円ほどの分厚いサンマの押し寿司が予約できました。
でも阪急百貨店の改装中にご無沙汰となり、そのままサラリーマンをやめてしまい、以前は毎日の通過点だった梅田も、出かけることもなくなりました。探せば手に入るだろうけれど、両親も亡くなり一人では1/3も食べられないし、翌日になれば臭みが増して美味しくはないでしょう。私にとって、今や幻となった「サンマの押し寿司」です。
結局、美味しいサバにありついたのは、鍼の治療院の隣りのお店。白板に書かれたメニューを見ると「サバ きずし or あぶり焼き」とあり、迷わず『きずし』を注文しました。
20分後に供された『きずし』は、刺身にしてもよい脂ののった2cm近い分厚い立派なサバから作られたもので、身の表面2mmほどが酢で白くなっていました。口に含むと臭みのない脂が溶け出し、旨味が広がりました。美味しいけれど、
「これは『きずし』ではない」
私の頭の中の『きずし』は塩をして30分ほど寝かせて、1時間ほど酢でしめて、身の半分くらいが白から赤に変化していくもの。でもこの『きずし』には酢の甘みはなく、ほとんど刺身に近く、あぶり焼きにした方がもっと美味しくいただけるでしょう。そういえばメニューには「or」が入っていて、新鮮な素材を注文を受けてから調理していることが伺えます。
しかも写真を撮った筈なのに保存されていませんでした。これも連載断念の一因ですね。写真はその店でのちに食べた「あぶり焼き」です。この店の『きずし』より美味しくいただけました。
やっとのことで美味しい『きずし』にあえたのは昨日の石橋でした。普段から魚の美味しい店で、金曜日なので混んでいるだろうと外から覗いたら客は二人だけ。
ノンアルコールビールを飲むつもりでいたら、「本日のメニュー」には『きずし』。日本酒の冷酒とともに注文しました。供された『きずし』は写真の通り。分厚くて、赤と白のグラデーションが美しく、もちろん美味しくいただきました。
ということで「『きずし』を求めて」の完結。すみませんが、オチはありません。


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